先日ある企業の入社3年目の社員のキャリア相談を担当する機会がありました。新人扱いの導入期間が過ぎ、本格的に一人前の社員として扱わる4年目を迎えて独り立ちするための意識改革が求められる時期になります。そこで3年目の集大成として、これまで身に着けたスキルや新たに気付いた自分の強み・弱みなどを振り返ってもらい、残りの期間に経験したい自分に足りない部分の確認や今後の社会生活での不安などお聞きするのが私の役目になります。
担当した相談者は「社内研修で5~10年後のキャリアを考えるプログラムで自分はイメージが湧かず描けなかった。」との悩みを打ち明けてくれました。話すうちにこの相談者は入社で希望した部門と違った配属でありながら、今の仕事の中に新しい知識を得る楽しさや意外に向いている自分を発見したり、その部署に配属した会社の意図も理解するなど、与えられた環境の中での前向きな精神と適応性の高さを知ることが出来ました。ただ今の仕事は本来想定した分野では無かったこと、周りにロールモデルが居ないこと、この二つが悩みである将来のキャリアをイメージできない理由だと気づくことが出来ました。最後に、この入社前からの振り返りを通して、ご自身が大切されている価値観を実現するためのストーリーを想像することが将来のキャリアをイメージすることに繋がるのではと提案した所、是非やってみますと感謝してもらえました。
今回私自身にも大きな学びがありました。定期的に転職サイトの若者と接する機会はありますが、他にやりたいことがある訳でもなく、今の職場にうまく定着出来ずに離職する相談者が多い印象でした。今日の相談者は希望した分野ではなくとも、その仕事の意味の理解やそのなかで自分自身のやりがいをうまく見出していく理想的なケースでした。私自身のかつての経験ではなく今の現役社員にそんな話を聞くことができたことは、とても貴重な経験となりました。